タイやインドネシアと比べて若干日本ではマイナーですが、だからこそ落ち着いて旅を楽しめるのがマレーシアです。マレー系・インド系・中国系など様々な民族が入り混じって生活している多民族国家であるマレーシアでは、行動や人との接し方についていくつか注意してほしいことがあります。

まず初めに、たいていの人はイスラム教・仏教・キリスト教・ヒンドゥー教のうち、いずれかの宗教を信仰しています。そのため、相手によってとるべき行動というのは若干変わってくるのです。現地の人と親しく接する機会がある場合は、相手の行動を観察しながら、ある程度合わせられるような注意深さが求められます。

例えば、マレー系の人が多く信仰しているイスラム教では、左手は不浄の手とされています。そのため、左手を使って食事をしたり、相手に触れることは非常に失礼な行為になってしまうのです。左利きの人は特に気を付けたほうがよいでしょう。

また、握手をするときの独特の習慣があります。必ず右手で軽く握手をしたあとに、自分の左胸の心臓のあたりに触れる…というのがマレーシアの一般的な握手の仕方です。覚えておくと相手のしぐさに戸惑わずにすみます。ちなみにですが、現地の異性に対して気軽に握手を求めるのは避けた方がよいでしょう。男性から女性に握手を求めるのは失礼とみなされることがほとんどです。逆に女性が現地の男性に握手を求めるのは、恋愛的な好意からと勘違いされるケースもあるので、気を付けてください。

宗教がらみで、食に関する注意点というのもあります。イスラム教の人は豚肉、ヒンドゥー教の人は牛肉が食べられないというのは有名ですよね。したがって、マレーシアではそういった宗教的タブーな食品を提供していない飲食店というのが少なからずあります。アルコールを出す店も日本と違って若干限られてきます。

日本のようなあまり宗教を意識せずに暮らせる国から訪れると、誰もが篤い信仰心を持って暮らしているというのは感覚的に理解しずらいかもしれません。現地の人々の信仰心や暮らしを尊重し、それを乱さない行動を意識して接するようにしてください。